nasne録画が再生時にカクつく問題を切り分けた記録
— 外付けHDD故障から見えてきた内蔵HDD限界説 —
はじめに(結論の要約)
本記事は、ソニー製 nasne(初代)で録画番組の再生がカクつく問題について、実際に行った検証と試行錯誤を、思考の流れも含めて整理した記録である。
最終的な結論は、
外付けHDDの故障をきっかけに、長年潜在していた nasne 内蔵HDDの劣化が表面化した
というものだが、そこに至るまでには一度「最初の疑い」に戻る、いわば一周回った切り分けがありました。
ネットワーク、PS3、ルーター、ハブなど様々な可能性を検証したが、最終的に最も整合性が高かったのは
「記録先ストレージの問題」だった。
使用機器一覧(発売年・使用開始年)
| 機器 | 型番 | 発売年 | 使用開始年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| nasne (ソニー製・初代) | CECH-ZNR2J | 2013年 | 2013年 | 内蔵HDD 1TB |
| PlayStation 3(160GB) | CECH-2500A | 2010年 | 2011年 | torneチューナー使用 |
| 外付けHDD (故障) | IODATA AVHD-U2.0Q | 2010年 | 2013年 | nasne接続用 2TB |
| 外付けHDD (検証用) | IODATA HDH-U160 | 2004年 | 不明 | 160GB・長期放置 |
| 5Gルーター | Speed Wi-Fi HOME 5G L11 | 2021年 | 2024年 | ZTE製/LAN2ポート |
最初の異変:録画されているはずの番組が無い
異変は突然だった。
- 予約したはずの番組が録画されていない
- nasneの録画一覧に存在しない
torneから確認すると認識していない。nasneからも認識していない。外付けHDD(AVHD-U2.0Q)を確認すると、電源ランプ・アクセスランプが完全に消灯。PCに繋いだり別の電源から繋いだりしましたが物理的に動作しておらず、外付けHDDの故障がここで判明しました。12年間の長きにわたりお疲れ様でした。
この時点では、問題は単純に「外付けHDDが壊れた」だけだと考えていました。録画した番組は惜しいけれども、これからはnasne本体で録画すればいいや!と思っていました。
なぜ今まで問題に気づかなかったのか
ここが今回のトラブルの最重要ポイントである。
nasneは仕様上、外付けHDDが接続されている場合、そちらを優先的に録画先として使用する。
つまり、
- 2013年〜2025年までの12年間
- 録画の大半は 2TB外付けHDD(AVHD-U2.0Q) に保存されていた
その結果、
nasne 内蔵HDDは「ほぼ使われない状態」で長年放置されていた可能性が高い
という結論になりました。
外付けHDD故障 → 内蔵HDDへ役割が移行
外付けHDDが故障したことで、nasneは自動的に
- 録画先を 内蔵HDD に切り替えた
そしてここで初めて、
- 新しく録画した番組が再生時にカクつく
- 一部の録画は毎回同じ箇所で引っかかる
という症状が表面化した。
最初に疑ったこと:nasneとPS3の劣化
2TBの外付けHDD故障後、録画自体はできているものの再生時にカクつく症状が現れた。
まず最初に疑ったのは、
- nasne(2013年使用開始)
- PS3(2011年使用開始)
という長年使い続けてきた本体の劣化や故障である。同じ年数使ってきた外付けHDDが故障したのだから当然です。
しかし、
- 複数が同時に故障するのは考えにくい
- 症状が急に出た(外付けHDDが故障後すぐ)
- nasneのUIの動作や番組表取得、録画予約自体は正常
という点から、他の要因も探る必要があると考えました。
次に疑ったのは「帯域不足」だった
nasneでの再生時のカクつきをネットで調べていると、
録画・再生時の帯域不足が原因
とする報告がネット上に多数あることを知ります。
重要なのは、これはインターネット回線品質とは無関係であり、
- 楽天モバイル回線の問題ではない
- Speed Wi-Fi HOME 5G L11(ZTE)の通信品質問題でもない
という点である。
問題はホームネットワーク(家庭内LAN)にあるとここで判断しました。
ギガビットハブ導入という判断
ルーターにLANポートが2口あったので、それぞれをPS3とnasneに繋いでいました。この時点ではPCはWi-Fi接続で使用しています。TVへはLANポートの数が足りないのでこの時は繋いでおらずTVから直接、nasneの録画をDNLA再生することはしていませんでした。
わざわざPS3を起ち上げなくても録画番組が観られるので一時期はPS3からLANケーブルを外してTVからDLNAで観ていましたが、CMスキップが出来ない、観終わった番組を消せない、レジューム再生ができない等の使い勝手はtorneに遠く及ばず早々にPS3からの再生に戻した記憶があります。
ハブ導入前のネットワーク構成はこちら。

ここで、
- PS3
- nasne
- TV
- PC
をすべて有線ギガビット接続とするため、5ポートのギガビットハブを導入することにしました。
L11のLANポートを1口残し、ハブと接続。ハブからPS3、nasne、TV、PCへと繋ぎました。
ハブ導入後のネットワーク構成はこちら。

この構成により、
- 機器間通信はハブが担当
- L11はWi-Fiルーターとして専念
という理想的な分業構成が完成した。
しかし、症状は一切改善しませんでした。
これにより、
再生カクつきの原因は帯域不足ではないことが確定した。
今回のハブ導入によりPS3からの再生とTVからDNLA再生の両方が使えるようになり利便性が向上しました。機器間の通信もハブを介して独立して行われることでL11の負担が減ったことは間違いないですし、将来のトラブル時の問題の切り分けも容易な構成になった・・・・・と思いたいです。
問題の切り分け:PS3を除外
PS3はあくまで再生専用のプレイヤーであり、
- 外付けHDD録画の番組は正常再生
- 古い録画も問題なし
- PS3からの再生でも同様の症状が出る
という事実から、PS3起因の問題が無いので、候補から外れました。
結果として、疑いは一周して nasne に戻ることになります。
ところが、
- nasne内蔵HDDに録画した番組でも正常に再生できるものが存在したため切り分けが混乱することになります。
しかしこれは、
- HDDの劣化が「全面的」ではなく
- 不良セクタや断片化が発生している領域が限定的
であると考えれば説明がつきます。
実際に、
- 過去に一度でもカクついた録画は何度再生しても同じ症状
- 別のnasne内蔵HDD録画番組は問題なく再生されることもある
という挙動は、HDD物理劣化の典型例である。
最後に残った疑問:nasneは本当に壊れているのか
ここで一つの疑問が浮かぶ。
- 2TBの外付けHDDが動いていた頃は正常だった
- 録画自体は今も問題なく完了する
- UIや番組表取得に異常はない
これらを踏まえると、
nasne本体そのものの故障は考えにくい
という結論になりました。
そこで初めて、
nasne内蔵HDDそのものの不良ではないか
という仮説にたどり着きます。
検証:古すぎる外付けHDDを使った実験
そこで、長年使わずにしまい込んでいた外付けHDD/IODATA HDH-U160(160GB/2004年発売) を、 2TB外付けHDDの代わりとして nasne に接続・登録することを試みることにしました。
PCに繋いでみたところどうやら故障はしてなさそうである。元々はPCのバックアップ用に購入し使用していましたが、時代と共にその役目を終えた、古すぎるHDD。21年物ですが実働は3年くらい。
動作音がちょっと大きいな・・こんなんだったかな?
FAT32フォーマットという最初の壁
ここで一つ問題が発生する。
初代nasneで外付けHDDを使用するには FAT32形式でのフォーマット が必要だが、
- かつては Windows の標準機能で普通にできていたはずの FAT32 フォーマットが
- 現在の Windows では 32GB までしか選択できない
という仕様に変わっていた。
久々にFAT32でフォーマットしようとして、この制限に直面し、正直なところ戸惑いました。
I-O DATA製フォーマッタで対応
そこで、
をダウンロードして使用することにしました。
このツールを使うことで、
- 160GBのHDDを問題なくFAT32でフォーマット
することができ、無事 nasne に認識させることができました。
その結果・・・
- 録画 → 正常にされていました。
- 再生 → カクつく事なく正常に再生されました。
30分番組をランダムに選んで3本録画し再生したところ、カクつかないことを確認しました。
症状が出る条件が、はっきりした
ここで状況が整理できた。
- 症状が出るのは
- 2TB外付けHDD故障後に
- nasne内蔵HDDに保存された録画
- ただし
- 全てではない
- 症状が出ない録画も存在(nasne本体に残っていた10年前の2時間超の映画は4本あったがどれも正常再生)
これは、
- 内蔵HDDの劣化が一部領域に限られている
- 不良セクタや断片化が混在している
と考えると、極めて自然な挙動である。
nasne内蔵HDDはとっくに限界だった可能性
ここから導ける仮説は以下である。
- nasne内蔵HDD(2013年〜)は実は数年前から劣化が進行していた
- しかし外付けHDDが録画の保存先を一手に担っていたため露見しなかった
- つまりnasne内蔵HDDによる再生の不良ではなく録画の不良である
外付けHDDの故障は原因ではなくトリガーだったのだ。
将来への問題提起:容量拡大とリスク分散は両立していない
今回の検証を経て、
古いnasneを処分して、新しいバッファロー製 nasne を購入するべきか
という考えも自然と浮かんできた。
ソニー製 nasne とバッファロー製 nasne の違い
まず前提として整理しておく。
- ソニー製 nasne
- 初期モデル:内蔵HDD 500GB
- 後期モデル:内蔵HDD 1TB
- 外付けHDD:最大2TBまで、接続は1台のみ
- バッファロー製 nasne
- 内蔵HDD:2TBモデルのみ
- 外付けHDD:最大8TBまで、接続は1台のみ
大容量=安心、とは限らない
一見すると、
- 大容量 10TB(2TB+外付け最大8TB)
は魅力的に映る。
しかし今回の事例を踏まえると、
- 容量が大きい=
- 1台をより長期間使い続けることになり
- 結果として HDD劣化リスクが1台に集中する
という構造には、やはり不安が残る。
これはnasneに限らずテレビ番組レコーダー全般に言える問題である。
本体のストレージは最小限、外付けで分散できる設計が理想
これまでの検証から得られた示唆は明確だ。
- 本体HDDは必ずしも大容量である必要はない
- むしろ
- 外付けHDDを複数台接続できる
- 録画の保存先を分散できる
といった設計の方が、
録画機としてははるかに安全で、現実的
録画機は「1台で完結」することよりも、
役割を分担し、壊れても被害を局所化できる構成
の方が、長期運用には向いている。今回のトラブルは、そのことを強く示している。
まとめ
- 問題の発端は 外付けHDDの故障
- それにより内蔵HDDの潜在不良が顕在化
- ネットワークや再生機器は主因ではなかった
同様の環境で nasne を長年使っている方には、
外付けHDDの状態確認と役割分散を強く勧めたい。
いやぁ~しかしながらPS3、nasne、外付けHDD、長持ちしすぎだろ!!この間にTVは2台替わっています。
この検証が誰かの参考になれば幸いである。
※本記事は個人環境での検証記録であり、すべてのnasneで同様の症状が起きるとは限りません。
次回予告
ここで終わるはずだった番外編ですが、思いも寄らないトラブルにより、ハブに繋いだ有線機器が全部認識されない!という事態に陥ります。次回「まさかのLANポート編」で問題解決までレポートします。

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